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無料の死因判定 |
CTによる無料の死因判定を始めた千葉大教授
「遺族の怒りや悲しみを少しでもなくすのが私の役目」。
遺族の要望に応じ遺体を無料でコンピューター断層撮影(CT)にかけ、死因を判定する全国初の試みを始めた法医学者。
「死因をはっきりさせることが、一番の供養。だから見逃せない」
警察が変死体を検視し、犯罪性の有無を判断した結果によって司法解剖するかどうかが決まる現行制度。
「犯罪を見つけることだけを考えていると、死の真相を知りたい遺族の気持ちがないがしろにされる」。
遺族への思いが、今回の原動力となった。
東大医学部の大学院生時代の内科医研修で、次々と病気を発見するCTスキャンの威力を実感。
しかし、当時は遺体を検査するCTなど皆無だった。
「生きた患者には当たり前のように使うのに、遺体になるとこんなに差別されるのか」。
そして目の前で亡くなる多くの患者。
「人が」死ぬのが耐えられなかった」
初めは「教室に置いてある御神酒目当てで友人と入り浸った」と苦笑いする法医学の世界。
犯罪以外にも流行病の予防や事故対策など、遺体が発する"声なき声"を拾い上げようと、これまで約八百体の解剖に携わってきた。
中には地下鉄サリン事件の犠牲者も。
「遺体は必ず何かの警告を鳴らしている。人の死が社会に生かされなければ無駄死にになる」
出身地の千葉市に本拠地が移って以来の大のロッテファン。
今シーズンは球状に足を運ぶ時間がなかなかとれないのが悩みだ。
(岩瀬 博太郎さん 三十九歳)
2006年9月18日 神戸新聞朝刊3頁
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